雲上の楽園:パンダ国立公園の新たな入口

アーチャーミットが描く、自然と共生する文化空間

四川省彭州市に位置する「雲台(Woyun Platform)」は、巨大なパンダ国立公園の入口展示センターとして、地元の竹林、霧、氷河の破片といった地質的特徴を建築的イメージに取り入れた斬新なデザインです。

このプロジェクトは、成都の「公園都市」という開発枠組みの下、「三次元の風景公園都市」という開発コンセプトを提案し、限られた空間内で彭州の自然風景の魅力を感じさせることを目指しています。地上階の「竹林」は周辺村落へのフィードバックとしての田舎のリビングルームとして機能し、中間に浮かぶ「霧」は文化展示空間として、最上階の「破片」はレジャースペースとして利用されます。

建築面積は2,210平方メートルに及び、地元の竹林、霧、氷河の破片といった地質的特徴を建築的イメージに取り入れたデザインが特徴です。プロジェクトリーダーチームはアーチャーミットが担当し、主要な建築家にはパン・ユウツァイ、デザインディレクターにはヤン・ジェ(パートナー)、技術ディレクターにはチェン・レンジェン(パートナー)が名を連ねています。

このプラットフォームは、夜になると星空のイメージを投影する照明技術を用いて、白く柔らかな雲のプラットフォームを夢幻的な星の宇宙に変えることができます。そのため、以下の六点において革新的かつ探究的な実践が行われました。

例えば、円形の曲線を120の直線に分割し、建物の外殻を2343の単一面に分割することで、建築効果に影響を与えることなくアルミニウム単板の壁厚と建設コストを削減しました。また、地元の製造業者の実情を踏まえ、特定範囲内でアルミニウムベニヤを同様のサイズに分割し、コストと制御不能リスクを減らす工夫も施されています。

このデザインは、2024年にA'アーキテクチャー、ビルディングアンドストラクチャーデザイン賞でゴールデンを受賞しました。ゴールデンA'デザイン賞は、デザイナーの天才と知恵を反映し、芸術、科学、デザイン、技術を進歩させ、望ましい特性で世界に重要な影響を与える素晴らしい作品や明るいアイデアに授与されます。

「雲台」は、山と水が雲の上にあり、雲の下には生活への情熱がある場所です。ここでは、田舎の生活と現代アートが融合し、共有コミュニティ文化の小さな世界を形成しています。プロジェクトの完成は2021年9月で、場所は四川省彭州市龍門山町にあります。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Archermit
画像クレジット: Image #1: Photographer Arch-Exist, Longmenshan Town · Woyun Platform,2021 Image #2: Photographer Arch-Exist, Longmenshan Town · Woyun Platform,2021 Image #3: Photographer Archermit, Longmenshan Town · Woyun Platform,2021 Image #4: Photographer bpi, Longmenshan Town · Woyun Platform,2021 Image #5: Photographer Arch-Exist, Longmenshan Town · Woyun Platform,2021
プロジェクトチームのメンバー: Project leader team: Archermit Principal Architect: Youcai Pan Design Director: Zhe Yang(Partner) Technical Director: Renzhen Chen(Partner) Design team: Qinmei Hu , Yi He, Yuanjun Gou, Rui Yang, Zixuan Liu, Yaxian Zhao, Yutao Feng, Xiangxin Ge, Zhiying Song, Shuhua Ye, Maosen Zeng (intern)
プロジェクト名: Woyun Platform
プロジェクトのクライアント: Archermit


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